ヘリトンボの数奇な命運

 

ヘリトンボと聞いて何を連想しますか?

そう、あの超有名作品ドラえもんの道具の知名度NO.1「タケコプター」の類似商品、パチモンであることは藤子ファンなら誰でも知ってる事実。

初期のドラえもんはこのパチモンを使っていたがケツにつけて落っこちる事件が頻発、アタマにつけるタイプの「タケコプター」に乗り換えたのだ。

※(現在の版では読者の混乱が予想されるのか初期のヘリトンボを使ってた話も全て「タケコプター」の表記に改称されてしまっている。

ついでにマッドウォッチ(狂時機)は驚時機に、怒り狂うはいかりまくるちょうちょひーらひらはどーしましょどーしましょ…いい加減にしろよ!と言いたい。言った!)

 

と、言うのは所謂片倉設定であり、本編には出てこない裏設定なのだが、真実はもっとやらしい大人の情事があるのだ!

それは二度目のアニメ化の際、「ヘリトンボは言いにくいのでタケコプター」にというTV局側からの要望だったのだ!

同様にしずちゃんはしずかちゃんにのび太はのび太くんにと色々アニメ化の際変えられてしまっている。そのことを不服に思っている原作至上主義者の中にはしずちゃん呼称を貫きしずかちゃん呼称は邪道と言い張る猛者も少なくないというほどには多くはない。

と、これが一般藤子ファンの常識。一般人との飲み会で鼻高々に解説して「すごーい」(内心キモーイ)といわれた藤子ファンの方々も多いことでしょう。

 

しかしここで取り扱うのはもっとマイナーなあのヘリトンボにまつわる話。

それは、コイツだ!

HERITONBO.JPG - 18,440BYTES

これは宇宙開拓史のちょっとしたシーンに登場するアニメオリジナルキャラである。

ご存知の通りコーヤコーヤ星はジャングル黒べえのピリミーの怪動物達の流用ですが、ジャングル黒べえにもこのようなイキモノは登場しなかった。完全にこの映画オリジナルキャラなのです。

このキャラを見て違和感を覚えた方はいないだろうか?

そう、コーヤコーヤにはプロペラは存在しない!という事実に。

 

どらえもん「タケコプターを使えば楽だよ」

ロップル「めずらしい道具だね」

ドラえもん「プロペラがまだ発明されてないの?」

ロップル「ぼくらの世界では石器時代から反重力で飛んでいたんだ」(上から目線)

           〜〜VOL154 P47 5コマ目より〜〜

 

このようなプロペラ式のトンボがいるのにプロペラの概念が発生しないワケあるか!映画のスタッフは世界観の壊れるような蛇足を作って心底アホなのかぁぁぁ?

と思ってた時期が私にもありましたが、実はこのシーン、コロコロ掲載時にはなかったカラーコミック時の書き足しシーンなのだ。コロコロお手持ちの方は確認してみてください。たしかにこのシーンののび太のアホ面は書かれた時期が違うことがラインでわかりますよね。

すると今度は何故こんなシーンをいちいち書き足したのか気になってくるではないですか。

そんな時、知る人ぞしるマニア必涎のアニメ漫画資料専門店「写真や」でこのような設定資料を入手しました。

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これはドラえもんオールナイトでの景品の映画設定資料つめあわせの中のコーヤコーヤの動物の設定資料ですが注目すべきは右はしのコイツ!

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そうコイツこそがヘリトンボだったのです!

そしてさらに興味深いことにその名前には×が入っています!!

これで点と線がつがったああああ!!

そう、ここからは私の想像ですが、おそらくこの設定資料を見てF先生は怒ったのですよ。

長谷や赤塚に対して怒鳴った以来の剣幕で。

「私にはヘリトンボを使わせなかったくせにお前らは使うとはどういうことだ!」

いや、F先生はこんな言い方をしまい、でも凄くポリシーの強い信念を持った方、悪く言えば偏屈でガンコなところがある方でしたので(クリエイターたるもの皆そうですが)

それでこのキャラはボツになった、と。しかし映画製作のごたごたか、監督には監督のポリシー、保留心があったのか結局映画にちょろっと登場しちゃったんですよね。

それでF先生は穏やかな方でしたので文句もいわずにタダちょこっと書き足しのシーンで反抗したわけですよ。

あのシーンにはこんな逸話が隠されていたんですね。

 

つまりヘリトンボはアニメ会社と原作者両方から二度殺された哀れな運命のキャラだったのです。

 

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