〜〜狂人軍の仲間達〜〜


●マボロシ変太夫●

おれは狂犬狂太郎の巻

・週間少年キング71年41号(10月3日号)掲載

・NU14号再録

KING41GO.JPG - 32,334BYTES

掲載号表紙

(表紙のマボロシ変太夫のカットが目印レス)

 

―――・STORY・―――――――

トリ犬にクサリをつけて散歩をする変太夫。

「犬を放し飼いにしちゃいけないのレス」

しかしトリ犬は首輪ワクオに付け替えて逃飛してしまう。

かくしてクサリに繋がれたワクオは人間からペットまで地位が転落した。

そしてその人犬・ワクオを見初めた犬こそ我らが狂太郎だった!!

KYOKENKYOTARO.JPG - 44,541BYTES

狂太郎は最近マボロ市でうわさの狂犬。

「さっきもネコが一匹マルカジリにされたのよ」

と最近うわさの猛犬であり、変太夫の投げた石もたちどころに噛み砕いて食ってしまう。

クサリでつながれたワクオは狂太郎に連れまわされチンチンさせられ餌付けされ、いつ食われるかわからないまさに一触即発狂の危機的状況。

トリ犬の爆撃作戦も失敗に終りワクオの裏切り不意打攻撃も見破られ絶対絶命のその時、変太夫の頭脳プレーでワクオを救出。

最後は狂太郎の飼い主!が現れ狂太郎を引き取り一件落着。

 

狂犬にかまれりゃまもなくチンコロリン!

発見したら保健所へ(マボロ市保健所より)

 

――――――・解説・――――――

 

狂人軍のマスコットキャラ・狂犬狂太郎がゲスト出演するマボロシの回。なのになぜか単行本未収録

ちなみに一人旅シリーズじゃなくて未収録なのはこの一回のみである。

ここまでの狂人軍の嫌われっぷりは何なのだろう?

上記のSTORYを読んだ限りでは実に下らないアホらしい話と思われるかも知れないが、この面白さは文章で伝えることはできまへん。

同じようなコマが繰り返され徐々に岩を噛み砕いていくシーンやトリ犬の爆撃シーン等、狂人軍を思わせる「間」の多用、使い古されたビリ犬を思わせるぐるぐる催眠攻撃とこの話、ネタに困って困った時の狂太郎頼みで一気に書き上げたのでなないだろうかと下衆勘してしまわずにはいられない迷作レス。

しかし我々狂人軍フリーク連中の間ではこの回での狂太郎のチャーミングさにもうメロメロ。これぞ70年代の萌え漫画の走りなのだ。

特にワクオにエサを与えるシーンの慈愛に満ちた狂太郎のお姿やトリ犬にあこがれ耳を羽ばたかせる狂太郎の愛らしさは

全藤子A作品を見渡してもこれに比肩するものは皆無というものは私以外いないでしょう。

ラスト飼い主に甘える(カミツク)狂太郎の姿は牙を失った負け犬のようで非常に残念であるが…まあ、これも彼の隠れた一面として許容できる日がいつか訪れるかもしれない。

狂犬・狂太郎のファンの方は是非お手元の少年キング71年41号を手にとってご覧いただきたい。

キングが手元に無い方はネオユートピア14号を読みましょう。

TOPへ


ヘンナ生徒とヘンナ先生の巻

HENDAYUUHYOUSI.JPG - 36,866BYTES

・大都社 starcomics マボロシ変太夫一巻収録

・FFランド・Aランド未収録作品

――――――・STORY・――――――

学校に行く夢を見てシックハウスになったワクオ、違ったホームシックだ。

マボロ市での悠々自適で自堕落な生活に飽き飽き。

本来なら今頃は夏休みも終わり新学期が始まった頃…と急に学校に行きたい病にかかってしまう。

そんな時に一人の訪問客が、マボロ市学園のセールスマンだ。

ワクオとウカブにマボロ市学園に入園する事に。

by tha way

所変わってここはマボロ市学園。始業式のまっただ中。

しかし、そこにいたのは変太夫ただ一人。他の生徒はまだ夏休みボケで休んでいるのだ。

「あいつ(変太夫)さえいなければ我々もサボれるのに…」と先生達は何とか変太夫を帰そうとするのだったがアタマすっきりで妙に張り切ってる変太夫は帰ろうとしない。

そこで先生連中は変太夫をしごいて逃げ帰らせようと企んだ。

あの手この手でしごく校長先生だが変太夫には通じない。

そしてついには理科実験を装い爆殺を計画する!

はたして学校を休校にすることはできるのだろうか?

さらに、そこへワクオとウカブが新入してきて…

 

ランド未収録が不思議の名編!是非御一読あれ!!

 

――――――・解説・――――――

このマボロ市学園の先生は並みのマボロ市の住民より一つ頭とび抜けてマヌケ・アホ・クルクルパー揃い。

そう、このラリパッパ感は狂人軍そのものである。

しかも狂人軍の選手が二人、カワカム監督そっくりさんが1人とスターシステムで登場している。

一人はあの雑魚メンバーの歯磨き女、もう一人はふにゃふにゃ男だ。

特にふにゃふにゃ男は今回おいしいところはすべて持っていってしまっている。

しかし、狂人軍では素っ裸にネクタイというナイスな服装だったのに今回はパンツ一丁にネクタイという妥協っぷり。

裸で生徒に向き合うという彼の理念はどこにいったのか?教育の現場にさらっと風刺が刺しこまれている。

歯磨き女は夏休み明けで助野伴子のように真っ黒に日焼けしてトレードマークの歯ブラシも持っていない。

じゃあ、歯磨き女じゃないじゃん、ということで今後彼女の事は涙目の女と呼ぼう。

で、歯磨き女は今回特に活躍はしなかったのだが、変太夫を「さっさと片付けよう」と爆殺の提案をしたのは他ならぬ彼女で狂人軍きっての過激派の急先鋒としての面目躍如か。

また、その爆殺の手順は「このクスリとこのクスリを混ぜると爆発するようになっています」という単純な計画であったが、ふにゃふにゃ男の「あれれ?どっちが爆発する方かわかんなくなっちゃった。そうだ、混ぜてみたらわかる!」と言った規格外のバカのせいで破綻する。

このふにゃふにゃ男の一連の自爆のシーンは誰もが予想する流であるが、テンポが素晴らしく読んでいて「あああ、ヤメロ」と思わず叫ばずには要られない。

変太夫の中でも1,2を争う笑えるシーンだと思うのだが皆さんの口に合うだろうか?

なにはともあれAランドを売ってもスターコミックを買いませう。

 

PS.この話では変太夫は学校に通っている、その学校では高度な英語の授業が行われている(進んでるう!)、などの新事実が発覚するという変太夫研究家の間では学術的に結構重要な回なのである。

また、パパが仕事を探す回の前ふりになっているといった点でもランド未収録が惜しまれる一品である。


 

 

 

inserted by FC2 system