怪作「狂人軍」解説のページ 

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〜狂人軍作品解説〜

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作品解説

狂人軍(少年チャンピオン連載 69年9月3日号〜70年3月18日号 全14話)

 

人はみな多かれ少なかれ狂っているのだ。

その中で純粋な心の持ち主だけが本格的なキチガイになるのだ

というかのエイブラハム・ベートーベンの有名な言葉で始まる狂人軍とはその題名の通り、狂人共が集まって野球団狂人軍を結成し彼らのキチガイじみた、いやキチガイそのものの活躍を描いた痛快モーレツギャグ漫画※1である。週間少年チャンピオンの前身、少年チャンピオン(隔週発行)創刊3号から連載された不朽の、いや初めから腐りきっていた不死身の名作である。

題名のインパクトもさることながら、その内容もキチガイたちが縦横無尽、天心万欄、支離滅裂に活躍するアナーキーな作品で「キチガイ」「キ印」「クルクルパー」等現在の放送・出版コードに引っかかるような単語も当たり前のように使われることから現在での表立った復刻はかなり厳しいと思われるマボロシの封印作品である。そのものズバリの狂人軍というタイトルの危険な甘美な匂いは多くの漫画ファンをトリコにする。藤子ファンの間でも謎の怪作として「読んでみたい作品TOP3」にはランクインされる作品であるが※2この作品はそんなキチガイ等を隠すからみたくなるといった野次馬根性的好奇心、封印されている作品の付加価値よりも作品としての完成度、ギャグの切れ、タッチ、誌面から伝わる作者の絶好調のノリなど他の安孫子ギャグ漫画と比べても抜きんでており、現在容易に読むことが出来ないことが最も惜しまれる作品であるのだ!作者自ら「最も気に入っている作品」「通好みの作品」と公言してはばからない※3この傑作は安孫子ギャグ漫画の集大成、頂点といえる。

狂人軍の連載は69年の9月。時期としては同年5月にあの怪物的ヒット作「怪物くん」が連載終了しており、7月から週間少年キングで「黒ベエ」が、8月からには少年画報より「仮面太郎」が連載開始している。また10月まではぼくらで「ビリ犬」が連載されておりさらに別冊少年マガジンではかの名作短篇「野蛮人」※4が発表され、そのほか多くのブラック短編が発表されている時期である。チャンピオンの他の連載作品としては手塚治虫の「ザ・クレーター」永井豪の「あばしり一家」などで他の作品は現在殆ど生き残ってない(狂人軍も世間一般では生き残ってない)知名度の低い新人作家の漫画群であった。

おそらく狂人軍は創刊したての漫画雑誌の目玉の大御所漫画家の作品として優遇される少年チャンピオンという場であるからこそ発表することの出来た作品なのであろう。しかしその前衛的なシュールさやクールさは当時少年漫画としては早すぎて人気もでずあえなく14回で打ち切りの幕をとじた。

また狂人軍の打ち切りが70年3月18日号、仮面太郎が3月24号、黒べエが4月12日号と同時期に始まった実験的意欲作は悉く短命に終わっている。狂人軍打ち切りのウラミ念法か「黒ベエ」の末期は連載当初のブラックピカレスク節は減りギャグが増加している。最終話「まわるよまわるパチンコ玉」がでは狂人軍の主人公キチ吉のそっくりなキャラ※5が登場しているのだ!

当時はF作品もサンデーでの「ウメ星デンカ」も連載終了海の王子以来続いていた藤子枠が消滅しており、「ドラえもん」も連載始まってまもなくのころで少年誌を愛読していた少年読者にとっては藤子は(狂って)終わったと認知されていたことだろう。しかしこの時期69年12月にはあの名作「モジャ公」も連載開始されているがこれまた世間の人気はパッとしなかった。狂人軍もモジャ公も創刊したての雑誌で好きに描いた作品で共通点がみられる。作者のノリも非常にいいのでファン評価も高いし毒も効いていて痛快である。しかし、モジャ公は後に本格SFと評価され5度も出版されアニメ会社にも食い物にされたが、狂人軍のこの評価はどうだ。当時単行本を流通させないくせに版権を手放さかった秋田書店の無能ぶりにはほとほとカマ首がもたげる。秋田書店は日本の漫画の発展を10年は遅らせたと言っても過言が過ぎるといえよう。

狂人軍、黒ベエといった作品が無残にも打ち切られたせいか作者の興味が青年誌やブラック短編に向いていたせいか、少年誌でのハットリくんから連なる安孫子ギャグ漫画の系譜はこの時期ぷっつり途絶える。週間化された週間少年チャンピオンでのあとがま連載は漫画教室の「チャンピオンマンガ科」(どちらかといえば「マンガ道あすなろ編」※6おまけ2P連載の方が有名であろう)であって狂人軍で最盛期をみせたノリノリのスラップスチック=シュール=アナーキーなギャグの切れ味の最もおいしかった時にその持ち味が生かせる作品発表の媒体がなかった事は非常に残念。しかし、その潜在的パワーがブラック短編の方に消化されたことを考えたらこれも歴史の必然の運命なのだろう。尚、この連載終了時期から大山道場に空手修行に出ており、体は強く健康になったがアイディアは出なくなったという※7時期でもある。まったくつ○だはろくな事をしないまわりに毒を撒き散らすしか能のない毒蛾のような男だな。だから友達がいないのである。※8

この下りは後に笑うせえるすまんの「ケフィア」の話で消化されている。この話は栄養ドリンクに依存している漫画家須多見梨也に喪黒が健康にいいケフィアをすすめ、その結果体調は良くなるが漫画というものは不健全な肉体に宿るものだそうでスランプに陥る話である。この漫画家が作中で描いている漫画がなんと狂人軍※9なのである!

というわけで狂人軍の後、ドタバタギャグは週間少年キング71年8月1日号連載開始の「マボロシ変太夫」まで待たねばならない。その直前にはアホ作品「モンキー大旅行」」※10(5月2号)とドアホ作品「災難厄郎」(6月20号)といったナンセンスのラリパッパノータリン作品を発表しており毛沢東伝や冷血の記録等でにわかに築かれた社会派漫画家の悪いイメージを払拭する決意、メイン畑への復帰の意志を感じる。

ところが「マボロシ変太夫」もまた作者が思い入れ強かったのにヒットしなかった作品と公言※11している不遇の作品である。変太夫には狂人軍への未練かオマージュか狂人軍のキャラが散見されるし連載初期の登場人物たちはそのまま狂人軍に入会してもおかしくないツワモノ揃いであった。未収録だが狂人軍のマスコットキャラ(キテレツで考えるとコロ助と思ってさしつかえなし)狂犬・狂太郎が主人公クラスで出演している話も存在する!それだけに後半の編集部のテコ入れの独り旅シリーズではマボロ市の設定をブチ破壊する尻つぼみ的展開にはファン連中もただ涙である。

おすすめはスターコミックス1巻収録の「変な先生と変な生徒の巻」※12である。ここの教師陣がまさに狂人軍のキャラの流用なので狂人軍未見の方には強くおススメするエピソードである。この話が琴線に触れない人は狂人軍を読むのはおススメできないので直ぐこのページからご退去願いたい。

さあ、何はともかく狂人軍を読みましょう。

国会図書館、大阪児童文学館、まんだらけ、オークション、2ch etc..

そこにあなたの楽園がきっと待っている!!


※1・・・狂人軍表紙上に書かれたチャンピオンからの尊称。

※2・・・藤子ファンサークルとしては世界最大級のネオ・ユートピア会員アンケート結果堂々の一位!

    (VOL25号掲載)二位Uボーを二倍近い得票数のぶっちぎりの人気!

※3・・・FFランド編集綿引勝美氏のコメント「安孫子先生は一番…というと御幣がありますが好きな作品とおっしゃって〜」

※4・・・日本の下町に野蛮人(人食い人種)の一行が下宿して巻き起こる騒動を描いたこれまた出版が難しいであろう傑作。

※5・・・パチンコ屋でカモフラージュに使われた赤塚チックなおっさん

※6・・・関係ないがあすなろ編という題名は素晴らしいのだがある人物のせいでイメージが悪く感じるのは私だけであろうか?

※7・・・マンガニカ(COM連載)第45回・第46回、 『悪友志願』第6回(ビッグコミック 1971年7月10日号)など

※8・・・赤塚は本当にいい人間だからみんなに好かれるけどつのだだけとは全くウマが合わないんだ。赤塚には友達がいっぱいいるけどつのだはワシだけ。(2006年藤子ファンへのリップサービス)

※9・・・狂犬・狂太郎の1コマ。アシの悪戯か先生の指示か?後者希望。…ちなみに帰ッテキタせえるすまん「上の部屋下の部屋」のマンガ家才賀礼の描いているのはジロキチの「千面相事件の巻」仕事場にはってあるのはナンデモ会社編のキャラ表と「山男、よく聞けよの巻」である。

※10・・アフリカ旅行した直後に描かれた50P超の大読みきり作品。

※11・・藤子不二雄A展のトークショーにて。「流行ると思いもしなかったのに大ヒットした作品は?」との質問に何故か逆の「大ヒットすると思ったのに流行らなかった作品」としてこの作品を上げた。

※12・・夏休みの終わった変太夫が学校に登校する話。狂人軍のふにゃふにゃ男、涙目の凶暴女が教師役で出演。カワカム監督と同じキ印のバンソーコを貼った先生も見られる。

 


サブタイトルリスト

話数 さぶタイトル 掲載 アオリ P数
第1話 狂楽園の中では?の巻 69年創刊3号 ギャグ漫画の頂点に立つ藤子不二雄先生の「狂人軍」ついに登場!!はやく読もう!! 15P
第2話 狂人選手次々登場の巻 69年4号 個性豊かな狂人軍が集まって、クレージー作戦が始まるぞ。いったい何をやらかすのかな? 15P
第3話 乱戦の末ドロンゲームの巻 69年5号 狂人軍の連中は何をやらかすかわからない!!さてこんどは何をやらかすことやら…? 15P
第4話 おしかけむすこキチ吉の巻 69年6号 バカなやつ、頭の狂ったやつが集まって狂人軍を作った!!本当に野球をやるのかな? 15P
第5話 キチ吉高校に行くの巻 69年7号 抜群のうまさ、抜群の面白さ!!藤子不二雄先生の「狂人軍」ますますさえる!! 15P
第6話 狂人軍ゲバルトの巻 69年8号 鬼才藤子不二雄先生の描く狂人軍はますます快調!!さてクレージィー集団の活躍は? 15P
第7話 キチ吉犬になるの巻 69年9号 ワン、オワン、クワン、この犬語わかる?キチ吉が今回は犬になって大活躍だ。さあ読もう! 15P
第8話 狂犬狂太郎の巻 69年10号 ジャーン!!今週は狂太郎が水を見ると恐ろしくなるという恐水病にかかっちゃうよ!!見て!! 15P
第9話 町で拾ったキ印オジサンの巻 70年新年1号 今週はキチ吉が町でキチガイマンガ家を拾ってきて、またまたばか騒ぎをはじめるよ!! 14P
第10話 おれの拳銃はすばやいぜの巻 70年新年2号 今週はキチ吉の家に偽警官が下宿して、キチ吉と大乱闘を始めるよ!!がんばれキチ吉!! 15P
第11話 キチガイ水を飲んじゃったの巻 70年新年3号

なし

14P
第12話 キチガイにハモノの巻 70年新年4号 今回は精神病院の患者が、患者をシュリツするんだよー。そんなことがあるかって?まー見ろよ!! 15P
第13話 キャンプインの巻 70年5号 さー今日から狂人軍もキャンプインだい!?。寒さなんか吹っ飛ばせだよ〜。 15P
第14話 狂人軍対凶人軍の巻 70年6号 抜群の面白さの「狂人軍」もいよいよ最終回!!さあバッチリ読もう!! 16P


STORY

STORY.JPG - 10,263BYTES

※注 ネタバレを含みます!!未読の方は見ない方が無難です!!

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簡易版  

第一話

狂楽園の中では?の巻

冴えないサラリーマン丸目蔵人(まるめくらんど)は会社をサボりドライブに出かけ奇妙な球場を見つける。「狂楽園」と書かれたその球場はどこか変。受付からガードマン、責任者にいたるまで皆言うことなすこと狂ってる。入場を試みた蔵人は手痛くたたき出されてしまう。蔵人は気付いた。狂楽園とはクルクルパーの会でこの球場にはキチガイの会員しか入れないのだ!蔵人はどうしても中に入ってみたくてしょうがない。そこで蔵人のとった行動とは?

第二話

狂人選手次々登場の巻

狂人軍の王選手の打ったキチガイじみたホームランを頭にくらい気のクルッタ蔵人。蔵人を診察した医師は蔵人の死亡宣告したのに蔵人が生きていては彼の医師としての沽券に関わる。そこで蔵人の殺害を決意し!「ワシのために死んでくれー!」大まさかりで襲われる蔵人を救ったのはほかならぬ王選手であった。しかし蔵人は自分をこんなにした王選手を許しはしなかった。蔵人は謝罪の印に自分を狂人軍の4番で打たせろと恫喝しついに念願のヒノキ舞台の4番バッターとなれたのだ。おめでとう!蔵人!!

第三話

乱戦の末ドロンゲームの巻

ミスター狂人軍のナガヒマと狂人軍監督カワカムの激突から観客・選手を巻き込んでの大乱闘に発展。またまたどたまを殴られた蔵人はショックで正気に戻ってしまうが目覚めたときには先ほどまでの喧騒が嘘のように静かで狂楽園にただ独りたたずんでいた。あれは夢であったのだろうか?いや、違うこの狂人軍のユニフォームが証拠だ。車に戻るとそこには不思議な少年キチ吉が待っていた。キチ吉と家に帰った蔵人はようやく現実世界に戻れたことに安堵するのだったが家には狂人軍の選手たちが先回りして待ち構えているのだった。悪夢は未ださめず。蔵人の受難は続く…

第四話

おしかけむすこキチ吉の巻

狂人軍の連中は大人しくどこかに帰っていって一安心の蔵人夫妻。しかしキチ吉は帰ろうとしない。「なぜならここを俺のうちにすることに決めたからです!だから君たちがおれのパパとママになったわけです。パパ!ママ!よろしく!」おしかけ息子として家に居座るキチ吉に蔵人夫妻は大よわり。キチ吉は蔵人の会社にまで着いてくる始末。ところが会社に因縁をつけにきた暴力団の連中を追っ払ったのはキチ吉の呼んだ狂人軍であった。こうしてキチ吉と蔵人のかりそめの親子関係は始まったのだ。

第五話

キチ吉高校に行くの巻

キチ吉は学校に通うことに決めた。そのときキチ吉の前に美少女・小野町子さんが通りキチ吉は一目惚れ。キチ吉は彼女を追って彼女の通う青井中学校に転校生として押しかけるのであった。突然のキチ吉の告白を拒絶する町子にキチ吉は失恋飛び降り自殺を敢行!キチ吉の純粋さに感動した町子はキチ吉を介抱する「顔のキレイな人より心の優しい人をボクはアイス!だが顔もキレイで心も優しい人をボクはもっとアイス!」そういい残し立ち去ったキチ吉であったがすぐに狂人軍の連中をひきつれて授業に押し入る。キチ吉と町子の結婚式を行いに来たのだ。二人の愛の行方は?高校に行くという題なのに中学校にいくという問題作!!

題六話

狂人軍ゲバルトの巻

明日はデモがあり全学連と機動隊が衝突する事をニュースでしったキチ吉は狂人軍を収集し緊急会議を開いた。この戦争に対し狂人軍はなにをすべきか?白熱した討論と乱闘の末、キチガイのように暴れるべきというキ印派と戦争を仲裁するべきと言う左巻き派の二派に狂人軍は分裂してしまった。翌日にらみ合う全学連と機動隊の前に珍妙な一団が現れる。戦争反対の狂人軍左巻き派である。しかし彼らが平和的解決を訴えているところに過激派のキ印派が乱入して…

第七話

キチ吉犬になるの巻

犬を飼いたいキチ吉、しかしママは許してくれない。そこでキチ吉は自分が犬になることを思いついた。犬の生活を楽しむキチ吉であったが野犬狩に捕まってしまう。野犬収容車のオリに入れられたキチ吉を見かけた狂人軍の連中はキチ吉の犬の生活に憧れ全員犬になる。その常軌を逸した行動に恐怖した犬狩りはキチ吉をオリから逃がすのだった。名キャラ狂太郎初登場話!

第八話

狂犬 狂太郎の巻

チンピラ二人ににおれの影を踏んだなと因縁をつけられボコられる蔵人。こんな時に正義の味方がいてくれたら…と思う蔵人を助けたのは狂犬・狂太郎であった。しかし狂太郎は蔵人にも襲いかかり蔵人のカバンをむさぼるのであった。そこに通りかかった我らがキチ吉。キチ吉の頭を丸かじりにした狂太郎は頭に乗せていた氷嚢にあたってひっくりかえってしまった。狂太郎は狂犬病すなわち恐水症のため水が苦手なのだった。

第九話

町で拾ったキ印おじさんの巻

町を歩いていたキチ吉と狂太郎は道端で奇声をあげるキ印おじさん(小池さん)に出会う。「あの人は立派に気が狂っているようです」精神病院に連れ戻されそうになったオジサンを助けたキチ吉にオジサンは君の家にラーメンはないかとたずねる。キチ吉の家でラーメンをご馳走になったおじさんの前に狂人軍の連中が次々に押しかけて来る。それをみたオジサンは興奮してふすまにマンガを書き出すのだった。オジサンの正体は人気絶頂のキチガイマンガ家の小池先生なのであった。

第十話

おれの拳銃はすばやいぜの巻

キチ吉の家に気の弱そうな青年久留井辺一が下宿にきた。その晩帰宅中蔵人は強盗に襲われる。蔵人の悲鳴を聞き独りの警官がかけつけた。警官は2丁拳銃で強盗を射殺。強盗とは言えイキナリうち殺すなんてむごいという蔵人に警官は2丁拳銃ぶっ放すのであった。命からがら逃げ帰った蔵人は下宿の青年がさっきのキチガイ警官であることに気付く。本性をあらわした久留井辺一は丸目家を占領!

第十一話

キチガイ水を飲んじゃったの巻

キチ吉は夜中寝ぼけてラーメン屋台をトイレと間違える。そこにムショ帰り風の男がやってくる。キチ吉の小便入りのラーメンを食べさせたことがばれた屋台のオヤジは男に殺されると思い逃亡してしまう。キチ吉は屋台を引き継ぎラーメン屋になるのだった。男は屋台の一升瓶に目が止まる。「酒だ!ああずいぶん長いことのんでないなあ」男はキチ吉に酒を頼むが飲まずに帰ってしまう。キチ吉は勿体無いので残った酒を飲み干してしまう。酒によって暴走するキチ吉!この男の正体とは?

第十二話

キチガイにハモノの巻

フランスパンを丸食いしてのどに詰まらせ倒れたキチ吉。ママはキチ吉を病院に連れているがどこも休診でたらいまわしにされる。そこで休診の病院の裏にまわると佐木似の医者がゴルフの練習をしていた。今は休みなんだから邪魔をするなと言ってキチ吉の頭をドライバーでナイスショット!そのショックでパンを吐き出して復活したキチ吉はお返しに医者の頭をナイスショット!今度はキチ吉が重症の医者を連れて町中の病院を駆け回るのであった。

第十三話

キャンプインの巻

蔵人にプロ野球ではキャンプしてがんばってるのに狂人軍はどうなんだと言われたキチ吉は狂人軍のキャンプをすることに。しかし寒いので狂楽園に集まったのはカワカム監督、ナガヒマ、アンパイヤ、キチ吉の4人だけ。あまりのサムさにコタツに入ってきたまま来たアンパイヤのコタツにマウンドの真ん中でみんなで当たるのであった。しかしコタツが発火。狂楽園のグランドの雑草に火が燃え移り大火事になってしまう。

最終話

狂人軍対凶人軍の巻

ついに狂人軍のオープン戦が始まった。しかし相手がいないことに気付き途方にくれる狂人軍の面々。そこに謎の野球団凶人軍が現れる。二つのキョージングンどちらが強いか勝負を始める。凶人軍はラフプレー専門の凶悪な無法者の集団であった。ボールをピストルを打ちバットの仕込み刀を振り回す。次々にやられる狂人軍の選手たち。立ち上がれキチ吉!怒涛の展開の感動の最終回!狂人軍は永遠に不滅です!!


狂人軍関連記事

    狂人軍に関する記事を古今東西に紹介(情報求ム!!)

 

藤子不二雄A先生による狂人軍コメント

「今見るとわけのわからない漫画で、よくあんなの載せてくれたなぁと思うんだけど、あれが異常に好きなんですよ。当時としては非常に先端的なギャグでね、殆ど受けなかったけどね(笑)」

「まあ、そういうパンチの効いた今までに無いようなナンセンスなギャグを面白がって描いていたんだけど。ただ「狂人軍」は単行本にするのに、タイトルに狂人というのはまずいしね、それにアチャラカばかり出てくるからさまあ、あの作品をわかってくれる人は通ですよ。」

  藤子不二雄A ALL WORKS (2002.10月

「例えば狂人軍を「驚人軍」というタイトルにして出版するようなことはしたくない。あれはあの題名だからいいんだよ。」

  藤子不二雄ファンの集い(2006.3月)        

「安孫子先生は一番…というと語弊がありますが好きな作品だとおっしゃられていましたし〜(以下略)」

とのコメントをメモリーバンクの綿引勝美氏がインタビューで語っている。

NEO UTOPIA VOL.15(1991.9月)

 

その他雑誌等に取り沙汰された狂人軍

藤子不二雄論より抜粋

「少年チャンピオン連載の「狂人軍」はトランプの王様をはじめ様々な奇妙なキャラクターが野球の試合を繰り広げるエキセントリックなギャグマンガで白昼夢のような狂気の世界を展開している。これまた一種の仮面劇にも似た世界なのだが、ドラマやストーリー性を排除したドライなドタバタギャグ仕立てが異様なムードを創り出している。少年マンガ的絵柄とギャグマンガ的デフォルメでありながら、デザイン化されたようなスタティックなタッチが独特のムードを作り上げている。しかし、このドライさはシュールさとも相まって子供たちに受け入れられたかは疑問だ。とにかく変なマンガという印象が強く、その実験性は極めて高かった。」

藤子不二雄論 米沢嘉博著(2002.4月) 

マンガ地獄変3 トラウマヒーロー総進撃!

ダーク・アビコ・ワールドより抜粋

A先生の一大キ劇「狂人軍」は永遠に不滅です

少年チャンピオン創刊号から数回にわたってわれらがA先生は「構想十年!」(当時の広告より)と謳われる大問題作「狂人軍」を連載する。

まあ、タイトルの語感からして「巨人軍」のパロディだが、ただのスポーツマンガと思うなかれ。杉浦茂&赤塚不二夫にたいするリスペクト(シット?やっかみ?)溢れる一大キ劇なのだ!

発狂した人間しか登場しない世界を描いたことで、A先生の作品史においても扱いに困るその内容は、未単行本化という事実からも類推できる通り、相当ヤバイ。レレレのオジサンに酷似した「キチキチ」くんというキャラクターが狂人軍の選手相手に毎回「ギニャー!」「ドヒーッ!」「ナヌーッ!」の連続。

赤塚先生の活躍を横目に「ギャグマンガってのはこう描くんだよ!」と言わんばかりのスラップスティック加減は余りの破天荒さ故、当時の読者に受け入れられたとは到底言い難い。キチ●イしか出てこないんじゃ〜ね〜。そのタイトルに惹かれて国会図書館に当時のチャンピオンを読みに行った者は脱力すること請け合いの隠れた名作だ!君もキチキチくんの洗礼を受けろ!

マンガ地獄変3トラウマヒーロー総進撃! (水声社)

 


狂人軍関連書籍

狂人軍を一部でも見られる、記述のある書籍を紹介。年齢・地理的条件から狂人軍を読むことの出来ないファンの方はこれらを読んで自分を慰めよう!

藤子不二雄まんが全百科

 …これで狂人軍の存在を知った人も多いはず!悶々させるぜ!!

藤子不二雄まんがスクール

 …チャンピオンマンガ科の第一回はキチ吉の誕生秘話!

キチ吉のモデルになったのは手塚先生のあの作品のあのキャラだった!!

>>詳細へGO

ドラえもん誕生

 …ドラえもんのねたを考える藤子両先生だったがA先生は仕事が入り急遽仕事場へ。

「チャンピオンとキングからいっぺんに催促だおれいくからな」

「そうか、「黒ベエ」も「狂人軍」も遅れてるんだった」の台詞が嬉しい。

但し藤子・F・不二雄の世界掲載版のみ「両方ともおくれてるんだった」に改悪されているのでFFランド「のび太の大魔境」かぼくドラえもん未収録作品集25を読もう!

藤子不二雄A ALL WORKS

世界最大の藤子不二雄ファンサークルNEOUTOPIAが送る藤子不二雄A特集本。A先生の狂人軍への想いが熱く語られている。

狂人軍ファン必読の書!!

笑うせえるすまん「ケフィア」中公2巻

須田見梨也が描いてる漫画が狂人軍の狂犬・狂太郎の回なんである!!嬉しいファンサービス。

健全な肉体では描けない漫画らしい。

マボロシ変太夫「俺は狂犬・狂太郎の巻」(未収録)

狂太郎が主人公の回。狂太郎の飼い主登場。

トリ犬との死闘は見物だ!!

NU14号に再録されている。会員の方は復刻希望のお便りを送ろう。

1000‰無理とは思いますが…古本屋で3000円くらいが相場。雑誌の方が安いよ。

タカモリが走る2巻

和義くんのオヤジさんの人気漫画家・西郷もりたか氏の連載作品「キチ吉くん」として一部再録

犬マンガらしくここでもお気に入りキャラ狂太郎が登場!…しかし、FFランドという事もあってか「乱犬・乱四郎」という名前に…

それでも狂人軍の一端が広く世間に紹介されたことは非常に有意義なことではあるまいか、ネィ。

 ●第29回「真夜中の散歩」(初出:藤子不二雄ランドVOL.287『少年時代』4巻)
  「キチ吉犬になるの巻」から一部を再録

 ●第30回「パパのテツ夜」(初出:藤子不二雄ランドVOL.289『少年時代』5巻)
  「狂犬狂太郎の巻」から一部を再録

 ●第32回「カミナリ」(初出:藤子不二雄ランドVOL.293『新忍者ハットリくん』6巻)
  「狂犬狂太郎の巻」から一部を再録

ラクガキ王国

狂太郎の名前がラン四郎に変わり蘇った!!名前の変更は断腸の思いで行われたのだろう。(未確認)

 

 

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